医療過誤の賠償金

医療過誤における賠償金の計算は、交通事故における賠償金の算定の方法と概ね共通しています。すなわち、医療過誤によって入通院を行う必要が生じた場合には入通院慰謝料、亡くなった場合には死亡慰謝料を請求することができ、後遺症が残存した場合には後遺症慰謝料と逸失利益を請求することができます。

一方で、医療過誤における賠償金請求に特有の問題として、被害者の方がもともと何らかの疾病や怪我を負っていることがほとんどであるという点が挙げられます。

医療過誤の時点で既に何らかの疾患を有しており、就労ができない状態にあって、将来的にも就労が困難であると考えられていた場合に、休業損害や逸失利益を認定してもらうことは困難です。これに対し、以前から何らかの後遺障害を負っていた人が、医療過誤によってより重い後遺障害を負い、就労能力がさらに制限されたという場合には、重くなった分の遺失利益を損害として請求することができます。

医療過誤の前にどのような疾患を有しており、それによる就労の制限がどの程度であったかという判断は、高度な医療知識、法的事実認定能力を求められるものであり、医療事故の被害者の方が独力で行うのは困難な場合がほとんどであると思われます。

医療過誤による損害の額がどの程度になるかを知り、適正な賠償を得たいと考えられている方は、ぜひ一度弁護士法人グレイスにご相談ください。